
チョコレート嚢胞でピル治療することになった。
子供を授かって産めるようになるのかな。
チョコレート嚢胞は、不妊の原因の一つです。
こちらの記事は、チョコレート嚢胞があって、妊娠出産をした体験談です。
チョコレート嚢胞とは、
子宮内膜症の一種で、卵巣内に血液がたまってできる嚢胞のことです。
放置すると症状が悪化する場合もあるため、早期治療が大切です。
この記事の内容は下記の通り↓
- 生理痛がつらかったこと
- チョコレート嚢胞(子宮内膜症の一種)のピル治療について
- 自然妊娠への道のりと体験談
私は、結婚前に、婦人科で、チョコレート嚢胞と診断されました。
「たびたび重くなる生理痛の原因は、病気だったんだ」
「結婚したら、子供を産みたいけど大丈夫なのかな…」
2012年9月、6年間勤めていた会社を辞めて結婚しました。
当時、28歳でした。
「仕事を辞めてしまって、もったいない。」
「結婚しても仕事を続ければいいのに。」
周りの人に言われることもありました。
でも、日常的に左の下腹部に鈍い痛みもあり、立ち仕事で体がつらかった。
女性が妊娠できる期間は限られています。
まず、体を元気にすることが一番だと思いました。
無理をせずに仕事を辞めて、体の負担を軽くして、ピル治療を始めました。
「チョコレート嚢胞って、ピル治療で良くなるのかな」
「自然と妊娠できるようになるかな」
不安な気持ちはありました。
でも、チョコレート嚢胞は適切な治療をすることで、自然妊娠の可能性を高めることができます。
ピル治療を始めることで、少しずつ前向きになれた私ですが、その後も妊娠に向けてどのような道のりを歩んだのかをお伝えします。
この記事を読んで、いま治療をしてがんばっている人に希望を持ってもらえるとうれしいです。
生理痛があること
「生理痛があるのは当たり前だ」と思っていませんか?
私もそう思っていました。
でも、それが間違いだったと気づいたのです。
10代の生理痛は、
子宮が未熟なので、子宮の出口が狭くスムーズに経血が排出されないことが原因で起こります。
20代になると、
子宮が成熟してくるので、生理痛は軽くなるものですが…

生理痛が重いのは昔からだから。
女性は生理痛があるものだから。
私は、中学生の頃から、生理でお腹が痛かったので、
大人になってからも、生理痛は当たり前だと思って過ごしていました。
しかし、20代になると月経のたびに、痛み止めを飲んでもあまり効果がなく、
予定がなければ、寝込んでしまう日もありました。
そのうち生理ではないのに、日常的に左の下腹部に鈍い痛みを感じるようになってました。
左下腹部に感じる鈍い痛みは、まるでじわじわと何かに押されているような感覚でした。
最初は気にしませんでしたが、次第にその痛みが日常的になり、意識するようになっていました。
・・・痛みはあるけど、他の予定を優先しがちで、婦人科に受診するのを後回しにしていました。
でも、痛みがあるなら、婦人科へ行っておくべきなのです。
健康な場合、生理の際に痛みは感じません。
引用元:看護roo!
つまり、痛みを感じる時点で何らかの病気が隠れている可能性があります。
日常生活に何らかの支障をきたす生理痛は「月経困難症」と呼ばれ、それだけで病的な状態とされています。
月経困難症とは、
生理痛が強すぎて日常生活に支障をきたす状態を指します。
原因として、子宮内膜症やチョコレート嚢胞などの病気が隠れていることもあります。
生理痛があるのは当たり前ではありません。
でも、適切な治療を受けることで、痛みのない生活を取り戻すことができます。
婦人科を受診する一歩を踏み出して、自分の体を大切にしてください。
チョコレート嚢胞とは何か
2012年、結婚するのをきっかけに、婦人科を受診しました。
受診結果は…
卵巣にできた、チョコレート嚢胞。
子宮内膜症の一種です。
チョコレート嚢胞とは、月経時に排出されずに卵巣に古い血液がたまってできた病巣。
詳しく説明すると、
まず、子宮内膜とは、子宮の内部を覆っている粘膜のこと。
妊娠が成立しなかった場合、子宮内膜は、月経(生理)時に剥がれ落ちることによって、子宮口から出血します。
次に、子宮内膜症とは、子宮の内側を覆っている子宮内膜が、子宮以外にできてしまうこと。
周りの臓器と癒着しやすく、不妊症の主な原因の一つでもあります。
つまり、チョコレート嚢胞とは、子宮内膜が子宮ではなく卵巣にできてしまい、古い血液が溜まった袋(嚢胞)になったものです。
古い血液は、茶色く見えるので、チョコレート嚢胞という名前だそうです。
私のチョコレート嚢胞は、2.4センチでした。
3~4センチ以上ある場合は、手術が推奨されています。
大きいほど破裂してしまう恐れが高まります。
チョコレート嚢胞は、月経のたびに、数ミリから数センチ大きくなります。
チョコレート嚢胞を放置すると、不妊症の原因になるだけでなく、破裂や感染のリスクも高まります。早期発見と治療が大切です。
ピル治療と自然妊娠の体験談
私の場合は、薬物療法で、低用量ピルを飲んで治療をしていくことになりました。
副作用で、頭痛や吐き気など現れることもあるそうです。
私は副作用を感じませんでした。
低用量ピルとは、
女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンを低用量含む飲み薬です。
低用量ピルの仕組みと効果
通常だと、女性ホルモンは、脳からの指令によって卵巣から分泌されます。
しかし、毎日決まった時間に1日1回、低用量ピルを服用すると排卵が止まります。
①脳が「十分な量の女性ホルモンが体内にある」と判断する。
②卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン)の分泌を抑制する。
③エストロゲンの分泌がないので、排卵が起こらなくなる。
④排卵が起こらないので、プロゲステロンの分泌が減り、子宮内膜の増殖が抑えられる。
低用量ピルが避妊薬といわれているのは、排卵が止まるからなんですね。
ただ、生理が止まるわけではありません。
ピルを服用せず、排卵していれば、プロゲステロンの分泌がされて子宮内膜は厚くなります。
ピルを服用していれば、排卵していないので、プロゲステロンの分泌が減り、子宮内膜は厚くなりません。
ピルを服用して、子宮内膜が厚くならないということは、月経量が減ります。
生理痛が起こる原因はプロゲステロンの分泌量が多いことであり、
ピルのおかげでプロゲステロンの分泌も減り、生理痛が軽くなるのです。
また、低用量ピルは、ホルモンバランスの乱れを改善し、生理周期を整えてくれます。
一定期間飲んだら休薬期間を設けられていて、ピルの服用をやめると生理がくるようになっています。

定期的に婦人科を受診して、早めに低用量ピルを服用し続けていたら、
生理痛も抑えられ、子宮内膜症の進行も防げていたかもしれません。
ピル治療して半年後
ピル治療をはじめると、生理痛をあまり感じず、楽になりました。
そして、治療を始めてから半年後、チョコレート嚢胞は小さくなっていました。
婦人科の先生は、私が妊娠を希望していることを知っていたので、提案してくれました。

チョコレート嚢胞の一番の治療は、妊娠することです。
薬をやめてみましょうか。
妊娠することで、排卵も月経も止まり、子宮内膜症の進行が防げるのです。
低用量ピルの服用をやめて、妊活スタートへ。
自然妊娠へ向けてやったこと4つ
- 基礎体温を測る
- 風疹麻疹の予防接種
- 資格の勉強をしながら、パートを始めた
- 楽しく過ごす
1.基礎体温を測る
婦人科でもらった基礎体温表を毎日つけました。
毎朝、起き上がる前に、基礎体温系を舌の下にあて口を閉じたまま測定。
・低温期から高温期に入るタイミングが排卵期になります。(受精率が上がります)
・高温期から体温がグッと下がり低温期になると生理がきます。
・妊娠すると、高温期がずっと続きます。
2.風疹麻疹の予防接種
2013年当時は、風疹が大流行で予防接種をする。
妊婦が感染してしまうと、お腹の子が病気になってしまう恐れがあるとニュースで知りました。
*先天風しん症候群(CRS)→心臓病、白内障、難聴などの障害を伴う病気
3.資格の勉強をしながら、パートを始めた
調剤薬局事務の資格を取ろうと勉強をしながら、パートで仕事をはじめました。
妊娠とは別の目標をもつことで、気持ちが安定しました。
4.楽しく過ごす
趣味を楽しみました。
好きな音楽を聴いてリラックスしたり、料理教室に通っていたのも気分転換になりました。
食べることが好きなので、なるべくストレスを感じないように、食べ物の制限はしていなかったです。
治療中の不安と家族の支え
ピル治療をやめて、2か月後に受診すると、
チョコレート嚢胞の大きさが2センチで、少し大きく戻っていました。

また低用量ピルを服用して治療していきますか。
もしくは、妊娠希望してこのままピルを飲まずに2か月様子見ていきますか。
妊娠すること、チョコレート嚢胞の治療、どちらを優先的に考えるか悩みます。
私は、ピルを服用せずに過ごすことを選択しました。
妊娠する可能性もある一方で、妊娠せずにチョコレート嚢胞がさらに大きくなってしまうかもしれない。
もし、二か月の間に病気が進行して、ピル治療を再開したら、妊娠できるタイミングが遠のいてしまうことになる。
不安と焦ってしまう気持ちが強くなりました。
でも、主人や実家の母と話すと、気持ちがスッキリしました。
自分を大事に思ってくれてる人の言葉はあたたかいです。

2か月後の診察で、さらにチョコレート嚢胞が大きくなってたら、また低用量ピルを服用して治療していこう。
自分の体が健康になることが一番大事!
不安や焦りが吹っ切れて、資格の勉強を続けながら、過ごしていました。
そうして、二カ月経つ前に、2013年7月、妊娠しました。
出産後の完治
不妊の原因の一つと言われる、チョコレート嚢胞。
妊娠することが最大の治療となる、チョコレート嚢胞。
チョコレート嚢胞は大きいと妊娠中のリスクが高くなるようです。
妊婦検診でチョコレート嚢胞も同時に確認してもらい、状況を診てもらっていました。
しだいに小さくなっていたようで、妊娠後期にはあまり指摘されなくなっていました。
出産前に、切迫早産になり3週間入院しましたが、無事に出産できました。
そして、出産後、チョコレート嚢胞は完全になくなっていました。
妊娠出産しても完治できない場合もあるそうです。
でも、私の場合は、長男がお腹で育ち、生まれてきてくれたことで、病気が治りました。
子供が無事に生まれてくることも奇跡だし、病気が治ったことも奇跡だと思います。
診てくれた先生たち、支えてくれた家族に感謝の気持ちでいっぱいです。
最後に伝えたいこと
チョコレート嚢胞は、医師と相談し、適切な治療法を選ぶことで、
自然妊娠の可能性を高めることができます。
ピル治療は、症状の緩和やホルモンの調整に役立つ一つの手段です。
治療を通じて体調が改善されることで、妊娠に向けた準備が整うこともあります。
そして、婦人科の先生に自分の希望を伝え、相談しながら、体の状態と妊娠できるタイミングを知ることが大切です。
しかし、スムーズにいかないと不安になります。
でも、自然妊娠の成功例があること、希望を持つことが進む道につながります。
不安なときは自分だけで悩まずに、自分を大事に思ってくれる家族や周りの人に、不安を吐き出して、息抜きをしていいんだと思います。
どうか、心と体を大切にしながら進んでいけますように。
☆最後まで読んでくれてありがとうございました☆