「赤ちゃんが生まれたら、上の子はどんな反応をするんだろう?」
兄弟ができるて喜ぶ子もいれば、赤ちゃん返りをする子もいる。
反応は年齢差や性格によってさまざま。
わが家の6歳差兄弟の場合、長男はとても喜んでいました。
ところが、次男が生まれて数日後、突然長男に「白目をむく」ようなクセが出始めたのです。
最初は「ふざけてるのかな?」と思っていました。
でも、何度も繰り返すうちに、これは何かおかしい…?
そう感じて調べてみると、チック症の可能性が高い ということが分かりました。
チック症とは、本人の意思とは関係なく、体がピクッと動いたり、声を出したりする症状のこと。
幼稚園から小学生低学年頃に多く、一時的なものがほとんどで、2~3ヵ月で消えていくことが一般的です。
この記事では、長男にチック症が出たときの様子や、どのように向き合ったのか、そして自然に落ち着いていった過程をお伝えします。
この記事は、こんなママに届けたい。
・下の子の誕生後、上の子の様子が変わり、戸惑っている…
・チック症の症状が出るわが子に、どう接したらいいかわからず不安…
この記事を読んで、不安が少しでも和らぎ、子どもと前向きに向き合えるようになってもらえたら嬉しいです。
長男の異変に気付くまで
「ねぇ、ママ、弟が欲しいんだー。
どうして、うちには、赤ちゃんがいないのかな?」
4歳のときに長男がこんなことを言いました。
当時、長男の通う幼稚園では、赤ちゃんを連れたお母さんたちが多かったです。
胸にズシンときました。
「そうなのね。でも、それは、神様が決めることだからね。ママも、赤ちゃん来てくれるといいなと思ってるよ。」
と、精一杯の気持ちで答えたのを覚えています。
およそ半年後、そんな長男に、赤ちゃんがお腹に来てくれたことを伝えたとき、大喜びで嬉しそうでした。
そして、家族皆が無事に生まれてきてくれることを願っていました。
そんな中で、次男を妊娠中、私は安定期に入っても自宅安静にしていなければならない状態が長く続きました。
長男は、思うように動けない私を理解し、過ごしてくれていました。
お腹の中にいる弟を守るために、長男なりに大事に思って、我慢してくれていることもたくさんあったと思います。
そうして、家族や近所の方たちのサポートを受けながら、無事に次男の出産を迎えることができたのです。
私と赤ちゃんが退院した翌日、夫の実家で過ごしていた長男が帰ってきました。
久しぶりに会える嬉しさもあったのですが、そのとき、私は驚くことになります…
長男が何度も白目をむくのです。
「照れてふざけているのかな?」と思ったけど、本人は無意識でやっている様子。
あまりにも頻繁に白目をむくので、「これはおかしいな…」と思い、夫に尋ねると、長男はその日、電車の中で何度も白目をむいていたそうです。
これはもしかして…と調べてみると、どうやらチック症の可能性が高いことが分かりました。
「そうか…やっぱりチック症なのか。」
前にも経験があったとはいえ、やはりショックでした。
実は、長男は以前にも「瞬きが増える」という症状があり、そのときに小児科の先生から「チック症の一種だろう」と言われたことがありました。

本人には何も指摘せずに、自然に接することが一番!
ほとんどの場合、時間とともに落ち着いていきますよ。
そう言われたことで、「今はそっと見守ればいいんだ」と少し気持ちが楽になりました。
その経験があったので、今回の白目をむく症状も「きっとまた一時的なものだろう」と、わりと落ち着いて受け止めることができました。
とはいえ、瞬き以上にインパクトが強く、心配になりました。
「このままひどくならないだろうか?」
「本人に負担はないのかな?」と、不安な気持ちが強かったです。
でも、小児科の先生の言葉を思い出しながら、
「今は焦らずに、長男の様子を見守ろう。」と思うことにしました。
チック症が出やすい状況
今回、長男にチック症が出たのは、弟の誕生という環境の変化があったから。
チック症は、環境の変化やストレスで出やすいとされています。
長男の様子をよく観察していると、白目をむくタイミングには共通点がありました。
- 授乳をしているとき
- 親がおむつ替えや抱っこをするとき
- 家族で赤ちゃんの話題になるとき
赤ちゃんのお世話をし始めると、長男のチック症が出やすかったのです。
長男本人は、赤ちゃんの弟をとても可愛がっていて、泣きだしたら声を掛けてあげて、添い寝して優しくトントンしてあげたりしているのです。
笑顔でいながら、無意識に白目をむく姿に、子供なりに環境の変化に対応しているのだなと思いました。
夫婦で心がけたこと
弟が誕生して、喜んでいる長男。
そんな長男にチック症が出ていることで、私たち夫婦が一番気を付けたこと…
それは、長男の前では、夫婦二人で一緒に赤ちゃんを見ないこと。
私が授乳をしているときは、夫は、長男と思い切り遊んだりしてくれました。
夫がオムツ替えをしてくれてるときは、私は、長男の方へ行き声を掛けにいきます。
夫がいない日でも、赤ちゃんのお世話をするときは、
まず先に長男に声をかけることを心がけました。
「いま、オムツ替えてもいいかな?」
「うん、いいよ~」と言われてから、始めていました。
「泣いてるね~どうしようかな…」と長男に問いかけて、
「抱っこしてあげたら?」と、返ってきたら抱っこしてみたり。
そんな風に過ごしていました。
ただでさえ、赤ちゃんが優先されてしまう状況が多いもの。
意識的に長男を優先する時間を作ることで、安心感を持たせることが大事だったのかなと思います。
実際に、チック症の頻度が少しずつ減っているのを感じていました。
だから、夫婦二人で一緒に、赤ちゃんの次男を見つめる時間は、
長男が幼稚園に行っていたり、長男が寝ているときだけだったと思います。
チック症状の改善
次男が生後2ヶ月を迎える頃には、ほとんどチック症状がなくなっていました。
実は、その頃、赤ちゃんである次男は、長男の手足口病をうつされて、4日間入院することになりました…。
昼間は私が病院へ行き、夜は自宅で長男と過ごす、という日々でした。
そんなバタバタの中で、久しぶりに長男と2人でゆっくり過ごす時間が増えました。
夕食を一緒に食べて、赤ちゃんの寝かしつけもなく、静かな夜を過ごす…。
すると、いつの間にかチック症が落ち着いてきたのです。
もしかすると、次男の入院で環境が変わり、長男にとって「甘えられる時間」が増えたことが、安心感につながったのかもしれません。
夫婦で「そういえば、最近白目をむくことが減ったよね」と話しているうちに、ほとんど症状がなくなっていました。
小児科の先生が言っていたように、本人には言わずに、長男の前では何事もないように接してきました。ただ、自分たちでできることは心がけました。
上の子なりに、下の子の誕生を経験して、成長している過程だったのだなと思いました。
「生まれ持った脳の体質」と考えよう
チック症状が出ると、自然となくなっていくだろうと思っていてもやはり心配になるので、いろんな検索をしていました。
そこで、チック症というのは、「生まれ持った脳の体質」という言葉を見つけました。
長男は、その後も、1年に2度くらい、チック症状がでることがありました。
親が叱りすぎてしまっているときや、私が体調不良で寝込むことが長引いてた時、
弟が熱性けいれんで救急搬送されたときなど…
症状は様々で、首を縦に振るしぐさ、あごを左右に動かすなどがありました。
だいたい症状が出るのは、家にいるときだけです。
そして、原因は、家族絡みであることがほとんど。
いつも本人には症状が出ていることは話さずに自然に接します。
そうすると、だいたい数週間~1ヵ月くらいでなくなっていきました。
私や夫にとって、チック症が出ていると、「今ストレスに感じているんだな」と改めて認識できる機会となります。そして、愛情を伝えて安心感をもってもらうことが大切だなと気づかされるのです。
忙しく過ごしていると忘れがちになること…
「○○してくれて、ありがとう」などを、頭をなでたり、肩をたたきながら、スキンシップも意識してたくさん伝えるようになりました。
長男は小学校の高学年になってから、チック症は出なくなっています。
成長とともになくなってきたのだと思います。
最後に伝えたいこと
上の子にとって、下の子の誕生というのは、これまでの人生で最大のライバル登場なのです。
上の子が「赤ちゃんが生まれてくるのを楽しみにしていた」としても、実際に生まれてきたら、環境の変化を感じないわけないのです。
そんなとき、もし、上の子に思わぬ変化があったら、その様子に戸惑うこともあります。
でも、対処法は、意外とシンプルなのかもしれません。
上の子にたくさん愛情を伝え、安心させること。
「○○してくれて、ありがとう」と感謝の言葉を伝えること。
頭をなでたり、肩をたたいたり、スキンシップを増やすこと。
それだけで、子どもは「大丈夫」と思えるのかもしれません。
最近になって、長男には、次男がうまれた頃にチック症状で「白目をむくようになってた」ことを話しました。
「え~そうだったの??びっくりしちゃうよね!」なんて、明るく聞いてました。
こうして、心配でたまらなかった出来事が、笑いながら懐かしく話せるくらいになっています。
産後は、家族にいろんな変化をもたらします。
でも、きっと大丈夫です。
上の子にも下の子にも「生まれてきてくれてありがとう」とたくさん伝えてあげてください。
☆最後まで読んでいただきありがとうございました☆