
子どもがダニアレルギーでした。
ダニ対策ってどうしたらいいの…?

舌下免疫療法をすすめられたけど、
本当に効果はあるの?続けていけるのか不安…
そんな風に悩んでいる方に、ぜひ知ってほしい治療法があります。
舌下免疫療法とは、アレルゲン免疫療法の一つです。
アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少量ずつ体内に取り入れることで、アレルギー症状を緩和・改善する治療法です。
この治療は、5歳以上の子どもから高齢者まで受けることができます。
(ただし、妊娠・授乳中の方は対象外です。)
こちらの記事は、こどものダニアレルギーの症状で悩んでいる方へ、根本治療となる舌下免疫療法についてわかりやすくお伝えします。
(現在、我が家の長男も治療中です!)
こんな方におすすめの記事です。
- 子どもがダニアレルギーと診断され、不安を感じている。
- 日々の体調管理やダニ対策に疲れてしまっている。
- 舌下免疫療法について詳しく知りたい。
我が家の長男もダニアレルギーです。
今回は、舌下免疫療法で根本治療に取り組んでいる体験をお伝えしていきます。
長男がダニアレルギーと診断されたのは5歳のとき。
1歳半から目のかゆみや皮膚トラブル、風邪のたびに咳が悪化し、喘息とアレルギー性鼻炎を指摘されていました。
血液検査の結果、ダニアレルギーが100%と判明したときのショックは今でも忘れられません。
(その他にも、ほぼ通年にあたるいくつかの花粉アレルギーがありました。)
家庭でできるダニ対策に取り組みました。
寝具を防ダニにしたり、こまめに掃除をしたりと工夫しましたが、限界を感じることも多かったです。
舌下免疫療法の存在は知っていましたが、不安が先立ち、なかなか踏み出せず…。
数年後、ようやく信頼できる耳鼻科に巡り合えました。
先生の丁寧な説明と、治療への安心感が背中を押してくれて、舌下免疫療法を始める決意ができました。
そして、ついに2023年12月、舌下免疫療法をスタートしました。
舌下免疫療法は根本的な体質改善を行えるため、一定期間治療を継続した後は、薬の服用を中止してからもアレルギー症状の発症を抑える、あるいは症状を軽減することができます。
引用元:https://news.curon.co/terms/9099/
現在、舌下免疫療法を始めて1年以上が経過。
以前ほど、皮膚のかゆみや咳は悪化せずに、鼻づまりが驚くほど軽減しています!
この記事を読んで、同じようにお子さんのダニアレルギーで悩んでいる方が、舌下免疫療法という根本治療を知り、不安が希望に変わるきっかけになれば嬉しいです。
ダニアレルギーとは?
ダニアレルギーの原因と症状

ダニアレルギーって、ダニが良くないんだよね?
私は、最初そんな風に漠然と思っていました。
確かに、ダニがいるから良くないのです。
しかし、ダニ自体が悪いだけではありません。
ダニアレルギーの原因は、ダニの死骸や糞です。
ダニは高温多湿を好むため、梅雨時期から真夏にかけて一気に増えます。
その後、ダニ自体は数が減るけれども、夏に大繁殖したダニが死骸や糞を粉々にします。
その死骸や糞を吸い込むことで、秋から冬にかけてアレルギー症状を引き起こすことが多くなるのです。
ダニの死骸や糞に含まれるたんぱく質がアレルギーの原因となっています。
一般的な症状は以下のものです。↓
- くしゃみ
- 鼻水
- 鼻づまり
- 目のかゆみ、異物感
- 目の充血
- 皮膚のかゆみ、湿疹
- 咳
主なアレルギー疾患は、以下のものです。↓
- アレルギー性鼻炎
- アトピー性皮膚炎
- 結膜炎
- 気管支喘息
ダニアレルギーの対策について

症状が悪化しないように、ダニ対策しなきゃ!!
まず、何から始めればいいんだろう?
生きているダニを減らすこと!ダニの嫌いな環境を作りましょう。
ダニは、25℃前後&湿度60~80%の環境を好みます。
反対に、「温度60℃以上、湿度60%以下」で死滅します。
- 布団乾燥機などを利用する
- 天日干しをする
- 部屋の喚起を十分にする
- 毎日掃除機をかける
- コロコロをこまめにする
- 寝具を清潔に保つ(こまめに洗濯をする)
- 防ダニスプレーや防ダニシートを活用する
ダニは、私たちの人間やペットのフケや髪の毛食べこぼし、カビ、ほこりなどを餌にするので、こまめな掃除や洗濯も大切です。

布団を洗濯するのは大変ですよね。
カジタクの布団宅配クリーニングは、自宅に取りに来てくれて、送料無料です!
水洗い+高温乾燥で、ダニやアレルゲンの除菌・消臭効果がありますよ。

床はなるべくフローリングがおすすめです。
しかし、マンション住まいの我が家では、下の階に音が響くのが気になるので、手頃な絨毯(ダニが溜まりにくい毛足の短いもの)を選び、夏が終わると買い替えをしています。
アレルゲンとなるダニの種類はなんだろう?

ダニって噛むよね?アレルギーと関係あるかな?
ダニアレルギーの主な原因は、チリダニ科の「ヤケヒョウダニ」と「コナヒョウダニ」 です。
これらのダニは、人を噛むことはありません。
しかし、その死骸やフンがアレルゲンとなり、喘息・鼻炎・皮膚炎などのアレルギー症状を引き起こします。
これらのダニは、室内で人の皮膚の垢やフケなどを餌にして繁殖するため、布団やカーペット、ソファなどに多く生息しています。

噛むダニはアレルギーにならないの?
噛まれた跡がある場合は、ツメダニ・イエダニ・マダニなど別の種類のダニの可能性が高いです。
噛まれたダニがアレルゲンになることは少ないが、噛まれた刺激で皮膚炎が起こることがあります。
症状がひどい場合は、皮膚科を受診すると安心です!
噛むダニは直接皮膚にかゆみや炎症を引き起こすことがありますが、アレルゲンとしての影響は少ないです。
アレルギー検査の流れ

どうやって、アレルギーがあるか調べられるの?
ダニアレルギーを確認するためには、病院でのアレルギー検査が必要です!
大きく分けて「血液検査」と「皮膚検査」の2種類があります。
血液検査(特異的IgE抗体検査)
IgE抗体とは、アレルゲンを敵だと勘違いして、アレルギー反応を引き起こす抗体のこと。
- 採血をして、血液中の「IgE抗体」の量を調べます。
- この抗体の数値が高いと、ダニアレルギーの可能性が高いと判断されます。
- 「View39」という検査では、ハウスダストや花粉、食べ物などのアレルゲンをまとめて調べることができるので、効率的です!
→ 痛みが少なく、小さなお子さんや採血が苦手な人でも安心です。
皮膚検査(プリックテスト)
- 皮膚にアレルゲンを含む液体を垂らして、小さな針でちょんと傷をつけます。
- 15〜30分ほど待って、皮膚が赤くなったり腫れたりするかを確認します。
→ 即時に結果がわかり、何にアレルギーがあるのかをその場で確認できます! - 血液検査に比べてすぐに終わりますが、敏感な人には少しピリピリするかもしれません。
舌下免疫療法について
舌下免疫療法とは?
舌下免疫療法とは、体に少しずつアレルゲンを慣れさせて、アレルギー反応を抑える根本治療です。
続けていくことで、根本的な体質改善が期待できます。
アレルゲンに強い体になります。
「舌下免疫療法」は、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と確定診断された患者さんが治療を受けることができます。
引用元:https://www.torii-alg.jp/slit/
ダニアレルギーに対する舌下免疫療法では、ミティキュアが治療薬となります。
ミティキュアは、基本的に「ダニによるアレルギー性鼻炎」の治療薬として承認されていますが、免疫療法全般の特性として、アレルギー反応を全体的に抑える効果が期待できます。
(3年以上の服用が推奨されています。)
ミティキュアは、ダニアレルギーのもとが入っている薬です。
ダニをエキスとする原料から作られています。
1日1回、1個のミティキュアをだいたい決まった時間に服用します。
- 舌の下に置く(薬がすぐ溶ける)
- そのまま1分待つ(1分間、つばを飲まないこと)
- つばを飲み込む
- 飲んだ後、5分間はうがいをしたり、飲食しないこと
- 保護者のいるところで服用しましょう。
- 服用後、2時間は激しい運動や入浴は避けましょう。
- 口の中に傷や炎症があるとき、体調不良のときは、服用前に医師に相談しましょう。
- 他院で、新たな薬を処方される際には、ミティキュアによる治療をしていることを医師に伝えましょう。
- 他の人には使用させないようにする。
治療費について
舌下免疫療法は健康保険での診療が可能です。
子どもの場合は、「乳幼児・子ども医療証」または「こども医療費助成受給者証」があれば無料で治療を受けることができます。
舌下免疫療法の治療対象は5歳以上のお子さんからですが、「子ども医療費助成」の対象にあたるため、該当する場合は実質負担なし(=無料)で治療を受けられます。
引用元:https://news.curon.co/terms/9090/
治療の流れ
1週目<初回服用>(3300JAU錠)
まれに、全身性の強いアレルギー反応が現れることがあります。
はじめての服用は、必ず医師の前で行うことになっています。
最初の1週目は、ミティキュア3300JAU錠を7日間飲みます。
そのまま、院内で30分間待機をします。
(アナフィラキシーの重い副作用が出ないか確認をします。)
アナフィラキシーとは、アレルギーの原因となるものを体内に取り入れることで、全身に引き起こされる症状のことです。

30分経ちました。
体調は大丈夫ですか?気分は悪くないかな?

耳がかゆくなってきました。

副作用として、耳がかゆくなると言う人もいます。
まず1週間、薬を飲んでいきましょう。
体が慣れてくると思いますが、急変したら相談してください。
初めの頃は、朝起きてすぐに服用していました。
異変があった際にすぐ受診できるため、朝や昼間の服用が推奨されています。
2週目以降(10000JAU錠)
2週目からは、ミティキュア10000JAU錠を服用していきます。
(1錠あたりの量が増えます。)
その後は、2週間後→1ヵ月後という流れで来院するように言われました。
そして、治療の継続に問題ないことを確認してもらいます。
通院について
3ヵ月程経過して、改善していると診断されました。
その後、我が家の通院頻度は鼻の状態などが気になった時のみです。
長男の通院している耳鼻科では、受診せずに薬だけ受け取ることもできています。
一度に、最大で60日分の薬を処方してもらっています。
ただ、病院によっては月に一度の通院を求められることもあるようなので、医師に相談するとよいかもしれません。
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
・ダニアレルギーに対する根本的な体質改善が期待できること ・症状を和らげる効果がある ・保険適用での治療が可能 ・治療を開始する際の通院とその後の通院を除けば、自宅で治療できる | ・治療期間が長い(3~5年) ・毎日服用する(習慣化する必要がある) ・副反応が現れる可能性がある ・5歳未満66歳以上の方は治療できない ・服用後2時間は運動や入浴は控える制限がある |
副反応には、口腔のかゆみ、不快感、咽頭刺激感、耳のかゆみ、唇の腫れや痛みなどが出る場合があります。
アナフィラキシーの注意事項

もしも、重い副反応が出たらどうしよう…
治療を始めるにあたって、万一のことを考えると心配になりますよね。
初めてミティキュアを服用するときは、必ず医師の前で行い、30分間院内で待機します。
アナフィラキシーの副作用は、多くの場合、服用直後から30分以内、または治療を始めた初期の段階に現れる可能性があります。

リスクについて正しく知ることが、
安心して治療を続けるために大切です。
<アナフィラキシーの初期症状>
下記の症状が現れたら、すぐに受診しましょう。↓
・皮膚の症状(全身的な皮膚症状/投与30分以内に初症状のことが多い)
・眼の症状(視覚異常・視野の狭窄など)
<緊急対応が必要な症状>
救急車を要請するなど迅速な対応を!
・循環器の症状(頻脈、不整脈、血圧低下、ふらつき、めまい)
・神経の症状(意識の混濁)
・呼吸器の症状(声がかれる、喉のそう痒感、胸のしめつけ感、咳、呼吸困難、呼吸音ゼーゼーヒューヒュー、チアノーゼ)
・消化器の症状(持続する胃痛、嘔吐)
もちろん、副反応が出ない方も多く、適切な対応をすればリスクを最小限に抑えられます。
安心して治療を進めていきましょう。
舌下免疫療法を続けるためのコツ
- 子供自身が納得したタイミングで治療を開始したこと
- 体調不良のときは、無理に飲ませないこと
- 服用する時間を自分で決めさせる(運動・入浴前を除く)
- 続けてできていることを褒めてあげること
- 「以前より悪化しなくなったね。」など、良い変化を伝えてあげること
舌下免疫療法の最大のポイントは、本人が飲み続けていく気持ちになっていることです。
そして、長期にわたって、毎日続けていくには、正しいやり方で飲むことを習慣化できるように導いてあげることも大切です。
嫌がっているのに、無理に飲ませようとしては、ストレスがたまり長く続かないかもしれません。
我が家では、長男が9歳のタイミングで開始しました。
先生から直接、子供自身が飲み方や注意点、継続することで良くなる変化について教わったことで、継続しようという意識が高まりました。
はじめの2週間くらいは、耳がかゆくなる副反応が出がちだったので、朝起きて服用していました。
ただ、バタバタする朝だとお互いに忘れがちになっていたので、本人にいつやるか時間を決めてもらいました。

気持ちに余裕のある寝る前がいい。
自分で決めることで、前向きに取り組んでいきました。
体が薬に慣れるまでは、朝や昼間の服用をおすすめします。
こうして、子供自身で毎日継続できていることを褒めてあげることで、習慣化につながっていきました。
しかし、たまに飲み忘れてしまうこともあります。
体調が良くないときは、副反応が出やすかったりして飲みたがらないこともあります。
「そういう日もあるよね。」というゆったりした気持ちになることも続けていくポイントです。
長い目で見て、子供が前向きに取り組めるように声掛けをしてあげましょう。
ミティキュアの効果を実感
長男は、ミティキュア以外に、他の薬も服用しています。
ダニアレルギーだけでなく、通年にわたる花粉アレルギーも持っているのです。
ミティキュアに慣れてから数か月後に、スギ花粉の舌下免疫療法(シダキュア)も開始しました。
また、複数のアレルギーを持つので、アレルギーを抑える薬(アレロック錠)も服用しています。喘息予防の薬(キプレス)も服用しています。
アレロック錠(一般名:オロパタジン塩酸塩錠)とは、抗ヒスタミン作用により、アレルギー反応を抑える薬です。蕁麻疹、花粉症、喘息、皮膚の腫れやかゆみ、鼻炎、咳などの症状を改善します。
キプレス(一般名:モンテルカストナトリウム)とは、気管支喘息の症状を起こりにくくする薬です。発作を止める薬ではなく、発作を予防する薬です。
舌下免疫療法を開始する以前は、上記の薬を服用していても、季節によってはアレルギー症状が悪化することが多々ありました。
しかし、舌下免疫療法をはじめて数か月で、改善の兆しが見えました。
- 鼻づまりが軽減
- 皮膚トラブルが減った
- 咳が悪化することがなくなった
アレルギー体質というのは、いくつかの症状が重なります。
舌下免疫療法の薬以外に、他の薬も服用していますが、その量を減らすことができています。
アレロックは、一日2回→夜1回になっています。
このように、改善できている実感があるので、継続していきたいと思います。
最後に伝えたいこと
ダニアレルギーに悩むご家庭にとって、舌下免疫療法は、根本的な解決策につながる可能性が高いです。
この記事では、舌下免疫療法のメリットとともに、副反応やアナフィラキシーのリスクもお伝えしました。
信頼できる病院や先生のもとで、治療できることが心強いと思います。
我が家でも、治療を続けている最中ですが、信頼できる先生に背中を押してもらえたおかげで、親子で前向きに取り組めています。
数年にわたる治療になるので、習慣化できることがポイントです。
この記事を読んで、ダニアレルギーに対する不安があった方が、その不安が和らぎ、希望につながっていたら嬉しいです。
☆最後まで読んでいただき、ありがとうございました☆