2025年、世界一となったドジャース・山本由伸投手。
ワールドシリーズでは、第6戦で96球投げた翌日にも登板し、胴上げ投手となりました。
「体は大丈夫なのだろうか?」
「怪我歴はどうなんだろう?」
と、心配の声も多い中、やり遂げる姿に胸を熱くするファンはたくさんいました。
山本由伸投手のピッチングの裏には、「怪我をしない身体づくり」があります。
その陰の立役者が、柔道整復師・矢田修氏。
矢田修氏は、
山本由伸投手が行うトレーニング方法“BCエクササイズ”の発案者です。
ワールドシリーズでも、山本由伸投手は、
「矢田先生のおかげで、投げられた。」
と、語っているほどです。
今回は、山本由伸が怪我しない理由7選を紹介するともに、矢田修のBCエクササイズについて分かりやすく紹介します。
- 山本由伸の怪我歴や怪我しない理由を知りたい
- 山本由伸のトレーニング方法が気になる
- 矢田修のBCエクササイズを分かりやすく教えてほしい
“山本由伸の言ってない語録”について、こちらで紹介しています。
山本由伸の怪我歴は?
山本由伸投手の公表されている怪我歴をまとめました。
- 都城高校3年夏の大会
→肘の負傷を隠して登板 - 2018年
(プロ入団2年目)
→左内腹斜筋損傷により登録抹消 - 2022年シーズン終盤
→左脇腹を痛め途中降板 - 2024年6月
(ドジャース1年目)
上腕三頭筋の張りを訴え降板
→右肩腱板損傷
山本由伸投手は、野球選手として全く怪我をしていないわけではありません。
高校時代について「実は右肘が痛かった。」と、明らかにしています。
プロ入り後も、怪我はありましたが、手術を必要とする怪我はありません。
しかし、ドジャース移籍後の2024年6月、山本由伸投手の怪我(右肩腱板損傷)は3ヵ月近い離脱となりました。
ただ、山本投手自身が違和感を感じ降板を訴えたことで、手術するケースに至らなかったと考えられています。
仮に山本投手が先発投手としての責任感を優先させ、あのまま続投していたとしたならば、回旋筋腱板に亀裂などのダメージを生じさせていたリスクは否定できない。自ら降板を申し入れた山本投手の英断は、自らの投手生命を救う行為だったといっても過言ではないだろう。
引用元:Yahoo!JAPAN

やはり投手には常に怪我のリスクが伴うよね…

でも、山本投手はBCエクササイズを行うことで、怪我のリスクを最小限に抑える工夫を続けているよ。
山本由伸が怪我しない理由7選!筋トレしない?BCエクササイズのやり方は?
BCエクササイズは、
矢田修トレーナーが提唱する独自のトレーニング法

①柔道整復師・矢田修

山本由伸投手が怪我しない理由1つ目は、柔道整復師・矢田修氏の存在です。
柔道整復師とは、
様々な要因で起こる骨・筋肉・関節・靭帯といった運動器の損傷に対して、手術をしない方法で施術をおこなう国家資格者。
2017年の出会い
山本由伸投手は、2017年オリックス1年目のとき、鈴木一平氏(岡山のスポーツ店を経営)の紹介で、矢田修氏と出会いました。
実は、きゃしゃな体格の由伸のプロ入りを危惧して、高校時代の彼に矢田さんを紹介した人物がいる。故郷・岡山でスポーツ店「ウィズシー」を経営し、少年野球チームの監督も務める鈴木一平さんだ。
引用元:@niftyニュース

鈴木一平氏と山本選手のお父さんが、少年野球時代からの縁があるそうだよ。
2017年
矢田修氏の接骨院(大阪)を訪れる
山本由伸投手は、高校時代から右肘の痛みに悩んでいました。
自らのフォームの限界を感じ、身体に負担のないフォームを求めて、矢田修氏の接骨院を訪ねたのです。

山本選手が身体の悩みを率直に相談できる相手が矢田トレーナーなんだ。

この出会いが山本選手の活躍を実現していったんだね。
“高速フォーク”の原点
2025年現在、山本由伸投手のフォークは、149km/hに達することもあり、高速フォークとも呼ばれています。
フォークの平均球速
135~140km/h
2017年、山本由伸投手は矢田修氏に出会ったときに、
「150km/hのフォークが投げたい」と話しています。
矢田修氏
「どんな球が投げたい?」
山本投手
「150km/hのフォークが投げたいです。」
矢田修氏
「投球フォームもトレーニングも全て変えないと無理やわ」
フォークボールは、
肘や肩への負担が大きい。
故障の要因となりやすい。
フォークボールは、打者の手前で急に落ちる球種です。
投手への体に負担がかかるため、球速150km/hのフォークをなげるというのは、非常に怪我のリスクが高いのです。
新人選手には厳しすぎる言葉だったが、山本はすぐにフルモデルチェンジにとりかかった。「あの嗅覚は彼の才能。性格も極めて素直で純粋なんです」と笑う。
引用元:dmenu

矢田トレーナーは、山本投手に合わせた助言とサポートをしていったんだ。

山本投手は、矢田トレーナーの言ったことを素直に実践していくそうだよ。
②筋トレしない

山本由伸投手が怪我しない理由2つ目は、筋トレ(ウェイトトレーニング)をしないことです。
身体の柔軟性とバランスを重視
山本由伸投手は一般的なウェイトトレーニングを避け、筋肉を過度に追い込むことをしません。
硬くなった筋肉は怪我の原因になりやすいからです。

山本投手は、筋トレではなく、BCエクササイズを行っているよ。
③BCエクササイズ
山本由伸投手が怪我しない理由3つ目は、BCエクササイズです。

怪我のリスク抑制効果
矢田修氏のBCエクササイズは、怪我のリスクを抑える効果があります。
- 安定した体幹と柔軟な関節を作る
- 投球時の身体への負担を軽減
- 筋力に頼らない
→関節と筋肉の協調
→体の連動性が高まる
基本動作の5Bとは?
5Bとは、BCエクササイズの基盤となる5つの動きです。
| 5B | 目的 |
|---|---|
| Breath (呼吸) | 正しい呼吸で体の軸と集中を整える。 リラックスと安定。 |
| Bar (棒) | ポールやスティックを使う。姿勢・肩・背中の動きを整える。 |
| Bowl (ボール) | 転がす・支える動作。 体幹バランスや左右差を修正。 |
| Board (板/バランスボード) | 不安定な板の上で姿勢を保ち、重心感覚を鍛える。 |
| Bridge (橋/つなぐ) | 上半身と下半身を「橋渡し」するように連動させる動き。体全体の一体感を養う。 |
体全体の力を使うBCエクササイズを通して、自分の体の重心を感じながらズレを確認し、整えていけるようになるそうです。
ブレス(Breath)、バー(Bar)、ボウル(Bowl)、ボード(Board)、ブリッジ(Bridge)の「5B」が根幹を成し、その組み合わせや派生を含めると300種類以上になるというBCエクササイズを通じて養うのは、自分の体の重心を感じながらズレを確認し、整えていけるようになることだ。体の中の筋肉(インナーマッスル)をうまく使えるように、体を一つにつなげて動かせるように考えられた体操を行っていく。
引用元:デイリー新潮
BCエクササイズを続けることで、筋肉に頼らずに、自分の体バランスを調整できるようになってくるのです。

呼吸の仕方なども関係しているんだね。

筋肉だけでなく、体全体の力を使うのがポイントだよ。
BCエクササイズ動画
BCエクササイズの基本的な動作を紹介している動画は、こちらです。
実際に山本由伸投手がトレーニングしている様子を、こちらの動画前半で確認できます。

ロープを使ったり、ストローをくわえたりしているね。
④呼吸と集中

山本由伸投手が怪我しない理由4つ目は、呼吸と集中です。
正しい呼吸法で、
精神的な集中力を高めている
山本由伸投手は、正しい呼吸法で、無駄な力みを避け、身体の緊張を和らげています。
身体の緊張がほぐれることで、投球フォームが安定し、怪我の予防につながっていると考えられます。

BCエクササイズの5Bに、まず第一に“呼吸法”が入っているよね。

例えば、ヨガでも、正しい呼吸法で気持ちをリラックスさせていると体がよく伸びてくよね。
⑤投球フォームの改善

山本由伸投手が怪我しない理由5つ目は、投球フォームの改善につながっているからです。
負担のかかる動きを避けている
関節や筋肉へのダメージを減らしている
体に合わせて改良
山本投手の投球フォームは、BCエクササイズを踏まえて、自身の身体の特徴に合わせて改良されています。
山本は投げ方について矢田から言われたことは「ほぼない」と話すが、BCエクササイズを踏まえ、どのように自身の体を扱えば投げたいボールに近づいていけるかと試行錯誤し、現在の投げ方にたどり着いた。
引用元:デイリー新潮

BCエクササイズから学んだことをもとに山本投手自身で考えたフォームなんだね。
やり投げ法
山本由伸投手は、やり投げ法も練習に取り入れています。
やり投げ練習法は、トレーナー・矢田修氏の発案です。
野球ボールは小さく、
変な投げ方に気づけないため
→誤魔化しがきいてしまう
山本投手自身が考えた投球フォームを体に刷り込むため、やり投げ練習法をトレーナー・矢田修氏が助言したのです。
山本はウェートトレーニングを原則的に行わず、やり投げトレなど独自トレを行う。発案者は矢田氏だ。
引用元:スポーツ報知

山本投手が矢田トレーナーを信頼していることが伝わってくるね。
⑥修正力

山本由伸投手が怪我しない理由6つ目は、修正力です。
2024年6月
右肩腱板損傷
→2024年夏、体重が3kg減る…
山本由伸投手は、怪我や身体の不調があった際に、その原因や動きを細かく分析しました。
同じ失敗を繰り返さないよう自己分析することで、怪我の再発を防いでいるといえます。
山本由伸投手は、ドジャース移籍後のケガについて、当時を振り返っています。
「あの時と比べると身体はかなり楽になってきています。やはり去年は“こうしなければいけない”が強かった。今年はその環境、状況に上手く馴染もうと考えるようになりました。食事を摂る時間、移動時の休息の取り方……その場、その場でベターな選択を考えられるようになった。去年は過密日程の中に東海岸への2往復があって、その時に身体が完全におかしくなりました。あれが怪我の原因の一つかなと思っています」
引用元:Number Web
ドジャース移籍後、山本由伸投手にとって移動時間が長いことも体の負担になっていたと考えられます。
山本由伸投手は怪我を通じて、食事や休息の取り方を見直すようになりました。
また、日常的にBCエクササイズをしていることで、体の修正力が高まっていたのではないかと思いました。
結果として、シーズン後半は安定したパフォーマンスを発揮できるようになったのです。

長距離移動に合わせて、自分の体のケアを見直したんだね。
⑦ウェイトなしで体重増加

山本由伸投手が怪我しない理由7つ目は、ウェイトなしで体重増加できているからです。
ウェイトトレーニングをせずに、体重増加ができている3つのポイントをまとめました。
- インナーマッスルの強化
→BCエクササイズによる効果 - 生活習慣の向上
→食事や疲労回復による体質改善 - 体の土台を強化
→下半身がしっかりしている
「オリックス時代も登板が重なるシーズン後半に両方の脇腹を痛めることがありました。そこに関しても今は不安はないですね。良い状態で日々過ごせています。体重も83kgまで増えました」
ウエイトトレーニングを一切しない山本が体重を4kgも増やしていた。過密日程、中5日の登板を乗り切るためにあえてトライした体重の増加だった。
引用元hNumber Web

山本投手の積み重ねている努力が伝わってくるね。
なぜ山本由伸は連投できたのか?

2025年ワールドシリーズ、なぜ山本由伸投手は、連投できたのでしょうか。
ワールドシリーズ第6戦で96球を投げ、翌日の第7戦でもマウンドに上がった山本由伸投手。
山本由伸投手が連投できたのは、日常的にBCエクササイズや呼吸法で体の軸を整えているからだと考えられます。
試合後も筋肉を緩めて回復を早められたこと
第6戦後。山本はトロントのチームホテルに戻り、矢田氏から治療を受けた。翌朝、第7戦の前にも治療を受け、体の状態をチェックしてもらった。激闘ゆえに治療を受けたわけではなく、由伸にとっては矢田氏に体をみてもらうことは、重要なルーティーンだからだ。
「(第7戦)きょう体がこんな感じだから、こんな感じで動いていこうか、みたいな。まだ(実際に第7戦で)投げる(ことを前提にした話合い)とかじゃなくて。練習してみたらすごい感覚がよくて、なんか本当に気づいたらマウンドにいました」
引用元:MLB.com

やはり同伴してくれている矢田トレーナーの支えは本当に大きいよね。
山本由伸のプライベートのパートナーは?
過去の噂になった女性についてこちらの記事でまとめています。
まとめ
山本由伸投手の強さの裏には、矢田修トレーナーの存在がありました。
2025年のワールドシリーズで見せた圧巻の連投も、日々の積み重ねがあったからこそだと思います。
2026年春のWBCへの出場にも意欲を見せている山本投手。
ただ、どうか無理をせず、これからも休息を大切にしながら、自分のペースで前進していってほしいですね。

