母乳が出ない。足りないから、ミルクを足してる。
完全母乳をしたかった
でも、心も体もしんどい
母乳育児できなくてもいいのかなぁ
「母乳で育てる方がいい」「母乳が一番」そう思っている人は多い…
でも、様々な理由で母乳で育てられないときもあります。
そして、産後は心身ともに不安定になりやすい。
母乳育児ではないことに、もしくは、ミルクを足していることに、罪悪感を感じていませんか。
初めての産後、私がそうでした。
理想は、完全母乳。母乳にこだわりすぎて、自分を追い込んでしまっていました。
でも、母乳じゃなくても、ミルクでも元気に育ちます。
こちらの記事では、混合育児、または母乳からミルクへ移行することを前向きに考えていきます。
本記事の内容は下記の通り↓
- ミルクで育った我が子たち
- 母乳が出ないときの対処法
- ミルク育児のメリット、切り替え方、注意点
- 母乳でもミルクでも、子供は育つ!
出産前、私は、母乳で育てるつもりでした。
しかし、産後は、そう簡単にはできませんでした。
<我が家の子供たちの場合>
長男は、母乳とミルクの混合育児から、生後半年ほどでミルク育児へ
次男は、生後2か月から完全にミルク育児へ
「母乳をあげているママを見ると、うらやましい。」
「母乳じゃなくてごめんね。」
長男の産後は、母乳育児へのこだわりが強くて、母乳で育てられていないことに、
自己嫌悪になったり、後ろめたさを感じていました。
しかし、長男は、ミルクでも元気に育つ姿を見せてくれました!
だから、次男の産後は、こだわらずにミルク育児へ移行できました。
母乳育児は、誰もが自然とできることではありません。
でも、みんな自分の子のために、一生懸命に向き合っています。
たとえ、母乳で育てられなくても、母乳をあきらめたとしても、
子供は育ててくれているお母さんが大好きです。
この記事を読んでもらい、
ミルクで育児をすることへの罪悪感が軽くなるお手伝いができたら、嬉しいです。
ミルクで育った我が子たち
長男は呼吸過多で生まれて、産後すぐにNICUへ
2014年3月 長男誕生
我が家の長男は、へその緒が首にからまって生まれてきて、
呼吸過多になってしまい、すぐにNICUへ連れられて行きました。
出産した日に、私は、直接授乳をすることはできませんでした。
だから、初乳は、助産師さんのサポートを受けながら、
昼も夜も、3時間おきに搾乳して届けてもらっていました。
初乳とは、分娩後、数日間に分泌される母乳のことです。
初乳には、赤ちゃんを病気から守る免疫物質がたくさん含まれています。
微々たる量でしたが、
ミルクに初乳を入れて、赤ちゃんに飲ませてもらっていました。
翌日には、私は息子と面会ができるようになりました。
初めて、授乳を試みると、うまくできませんでした。
お母さんも授乳は初めてだし、
最初は、赤ちゃんもうまく飲めない子もいるんですよ。
がんばって練習していきましょう。
母乳で授乳をしたあとは、哺乳瓶でミルクを飲ませてあげます。
がんばれば母乳で育てられるようになるんだ。
こうして、母乳とミルクの混合育児が始まりました。
幸いなことに、
NICUにいた息子は、入院期間5日間で、母子一緒に退院できました。
- 最初から哺乳瓶でミルクを飲んで育っていた息子
- 哺乳瓶に慣れていた
- 私の乳頭が凹んでいるので飲みにくそうだった
- おっぱいはガチガチに張り、搾乳してた
- 授乳後、足りなくて口をパクパクして大泣きされる。
- ミルクを足すとよく飲んだ
長男の産後、低音型突発性難聴になる
長男が生まれて二週間後の朝、
目覚めると、私の片耳は、音が二重に響いてよく聞こえませんでした。
受診結果は、低音型突発性難聴です。
ステロイドの薬を服用しなければならなかったので、母乳は与えられません。
それでも、母乳が出なくなるのは嫌だったので、搾乳は続けました。
搾乳しては捨てるを繰り返す。
だから、約一か月、息子は完全ミルクで育っていました。
里帰り出産だったので、実家の母にサポートしてもらっていました。
睡眠とって体を治すことが大事!母乳にこだわらずに、
ミルクいっぱい飲んでくれるからいいんじゃない。
それでも母乳で育てていきたい。
突発性難聴の治療後、混合育児をまた始めました。
母乳育児を軌道にのせたくて、必死でした。
でも、しばらくおっぱいを吸ってもらえなかったのもあり、
母乳はあまり出るようにはなりませんでした。
一方、息子は、ミルクをよく飲むし、満足気なのです。
体重も順調に増えていました。
ミルクでもしっかり育つわよ。
そのうち離乳食が始まるから大丈夫。
実家の母は、おっぱいを嫌がる私をミルクで育ててくれました。
母乳でなくても飲ませることが一番大事だと知っています。
だから、自信をもって「ミルクでも大丈夫!」だと言ってくれたのです。
私の代わりに、赤ちゃんにミルクを与えてくれている母はとても幸せそうでした。
哺乳瓶でミルクをあげることは、ママ以外でもできます。
赤ちゃんにミルクをあげているとき、みんな心が温かくなりますね。
離乳食が始まるころには、
母乳に対するこだわりはほとんどなくなっていました。
- ミルクで育てている友達に会えて、気持ちが楽になった
- ミルクは準備が大変だけど、ママ以外でもあげられる
- 離乳食が始まると、離乳食の食べさせ方について考えるようになった
次男は、飲み方が弱く、飲みながらすぐ寝てしまう
2019年5月 次男誕生
次男のときは、里帰りはしませんでした。
当時、長男は幼稚園の年長さん。
次男の産後はとても穏やかで、NICUへ行った長男のときと違い、
次男は私の横にずっといました。初乳も直接飲ませてあげられました。
長男よりも飲む力が弱くて、飲みながら疲れてすぐ寝てしまう子でした。
赤ちゃんによって、個人差があるのだなと認識しました。
授乳はどうしたいですか?
母乳でお考えですか?
母乳で育てられたら母乳で、
無理はせずに、ミルクで足していきます
長男の時に、母乳にこだわらなくても良いと学んだので、
自分の体質も考えて、母乳が出なそうならミルクにするつもりでした。
でも、長男の時よりも母乳が出ているようでした。
次男、生後2カ月で高熱で入院
2019年7月
当時、幼稚園で手足口病が流行していて、
長男が40度の発熱で感染してしまいました。
手足口病とは、
手のひらや足の裏、口の中などに水ぶくれのような発疹ができるウイルスです。発熱しない場合もあります。
発症の2日後、次男は授乳を嫌がり、ミルクもほとんど飲みません。
その夜、嫌な予感は当たり、次男は38度2分で発熱。
次男は、普段はベッドにいると自分で眠ってしまうような赤ちゃん。
しかし、高熱で苦しそうにうなり、
夜中まったく眠らず、主人と交代で抱っこを繰り返していました。
翌日、次男は、手足口病で入院となりました。
長男は解熱してましたが、全身の発疹がひどくて休んでいました。
だから、午前中、主人に仕事を休んでもらいました。
水分がとれていないので入院して点滴します。
お兄ちゃんもまだ大変なときなので、
入院の付き添いはなくても大丈夫ですよ。
お兄ちゃんのそばにいてあげてください。
搾乳した母乳を届けてもらえるといいです。
病院の売店で、
母乳を冷凍できるパックが売っています。
ミルクと哺乳瓶、哺乳瓶消毒、オムツや肌着の用意をお願いします。
分かりました。ありがとうございます。
よろしくお願いします。
自宅へ戻り、荷物を用意して、病院へ届けました。
そして、次男には申し訳ないですが、長男のいる自宅へ帰りました。
その晩、私が38度の発熱。
胸がガチガチに張っていたけど、搾乳せずに、一晩眠って朝を迎えてしまいました。一晩で熱は下がりました。
その後4日間、冷凍した母乳を持って、病院へ行きました。
次男は、だんだんミルクを飲むように回復しました。
退院後、やはり母乳よりもミルク中心の育児になりました。
首のヘルニアになり、完全ミルクへ移行
次男の退院後、背中から首にかけて激痛が走りました。
受診結果は、首の推看板ヘルニア。
次男の入院前に、長時間抱っこし続けた負担がきていました。
推看板ヘルニアとは
骨と骨の間にある推看板がとびだして神経を圧迫して、炎症し、痛みやしびれなど起こること。
推看板が負荷をかけて劣化することで、腰、背中、首に起きやすい。
ステロイド薬で治療していきます。
授乳中ですが、母乳をやめることはできますか。
はい。やめます。
よろしくお願いします。
こうして、生後2カ月の次男は、完全ミルクで育つことになりました。
長男と次男、ミルクを飲む様子がちがっていた
長男の場合
- 激しく大泣きする
- 眠くても目をつむりながら、最後までゴクゴク飲み続ける
次男の場合
- 泣き方が激しくはない
- 眠くなって、そのまま飲むのをやめてしまうときがある
- 足をくすぐったりして、起こして飲ませることもあった
ミルクのあげ方に関しては、次男の方がいろいろ苦労しました。
しかし、二人ともよく食べる元気な子に育っています。
母乳が出ないと感じる原因と対処法
母乳がでないと感じる理由
ホルモンバランスの乱れ
母乳の分泌には、ホルモン(特にプロラクチンとオキシトシン)が大きく関与しています。このホルモンバランスが乱れると、母乳の出が悪くなることがあります。
ストレスや睡眠不足
ストレスや睡眠不足は、
母乳を出すホルモンであるオキシトシンの分泌を妨げます。
- ストレスの原因
- 育児の不安やプレッシャー
- 周囲からのサポート不足
- 初めての母乳育児での痛みや悩み
- 対策
- 家族やパートナーにサポートをお願いする。
- 短時間でも良いので休息を取る工夫をする。
- リラックスできる音楽を聴いたり、深呼吸をする。
赤ちゃんの飲み方が浅い
赤ちゃんが母乳を飲むときに、
乳首を深くくわえられていない場合、母乳がしっかり出なくなることがあります。
- 原因
- 赤ちゃんが乳首の先端だけをくわえている
- 赤ちゃんの口の形や舌の使い方に問題がある場合(例:舌小帯短縮症)。
- 対策
- 助産師や母乳育児相談の専門家に相談し、赤ちゃんの授乳姿勢やくわえ方を確認してもらう。
- 授乳クッションを使い、赤ちゃんを正しい高さで抱く。
母乳不足のサインと勘違いしていることもある
赤ちゃんが泣いて、頻繁に授乳を求めてきたり、
授乳後も満足していないように見えることもあります。
そこで、母乳が足りていないと勘違いしてしまっていることもあるのです。
しかし、実際には以下のような場合、母乳は足りている可能性が高いです。
- 母乳が足りているサイン
- 赤ちゃんの体重が順調に増加している(1週間で約150g以上)。
- おむつが濡れる回数が1日6~8回以上ある。
- 赤ちゃんの便が黄色く、柔らかい。
赤ちゃんが泣く理由は、
空腹以外にも「抱っこしてほしい」「おむつが濡れている」「眠い」など
さまざまです。
飲んだ直後で泣いているときは、空腹以外の理由も探ってみましょう。
母乳を増やすための具体的な方法
赤ちゃんが欲しがるタイミングで与えましょう
赤ちゃんが泣いたり、口をパクパクさせたり、手を口に持っていくなどの
「お腹が空いたサイン」を見逃さないようにしましょう。
- 具体例
- 赤ちゃんが起きたタイミングや、ぐずり始めたタイミングで授乳をする。
- 授乳の間隔を決めすぎず、赤ちゃんが欲しがる頻度に合わせる
(1日8~12回以上が目安)。 - 夜間授乳も母乳分泌を促進するため、無理のない範囲で行う。
1日3食栄養バランスの良い食事
お母さんの栄養状態が母乳の質や量に影響します。
特にたんぱく質、鉄分、カルシウム、ビタミン類を意識しましょう。
- 具体例
- 朝食:ご飯、味噌汁(わかめ・豆腐入り)、焼き魚、ほうれん草のおひたし。
- 昼食:鶏肉の照り焼き、雑穀ご飯、野菜たっぷりのスープ。
- 夕食:豚肉の生姜焼き、ひじき煮、納豆、温野菜。
- 間食:ナッツ、ヨーグルト、バナナなど軽めのヘルシーな食品。
- 避けたい食品:脂っこいものや過剰な糖分の摂取は控えめに。
水分しっかり摂る(1日2L、授乳のたびに水分補給を)
母乳の多くは水分でできているため、授乳中は水分補給が特に重要です。
- 具体例:
- 1日2Lを目安に、
こまめに水やノンカフェインのお茶(麦茶、ルイボスティーなど)を飲む。 - 授乳のたびにコップ1杯の水を飲む習慣をつける。
- 水分補給が面倒な場合は、保温ボトルに温かいお茶を用意しておくのも良いです。
- 1日2Lを目安に、
乳腺マッサージ
乳腺を刺激することで母乳の分泌が促されます。
授乳前やお風呂の後に行うと効果的です。
- 具体例:
- お風呂の中で、温かいタオルを胸にあてて乳腺を温める。
- 指の腹を使って、乳房の外側から乳首に向かって優しく円を描くようにマッサージする。
- 助産師や母乳育児の専門家に指導を受けると、正しい方法を学べます。
授乳姿勢を安定させる
赤ちゃんが乳首を深くくわえることで、効率よく母乳を飲めるようになります。
- 具体例:
- 授乳クッションを使用して赤ちゃんを安定させる。
- 横抱き、フットボール抱き、縦抱きなど、赤ちゃんとお母さんに合った姿勢を試す。
- 赤ちゃんの口が乳首全体を覆うようにし、乳首の先端だけをくわえていないか確認する。
赤ちゃんとスキンシップを増やす
スキンシップを増やすことで、オキシトシンの分泌が促進され、母乳分泌が増える効果があります。
- 具体例:
- 赤ちゃんを抱っこして肌と肌が触れ合う「カンガルーケア」を行う。
- お風呂の中で赤ちゃんと一緒に湯船に入る。
- 赤ちゃんの体を優しく撫でたり、話しかけたりする時間を増やす。
肩まわり、背中、足首を温める
体が冷えると血流が悪くなり、母乳分泌に影響します。
特に肩まわりや背中を温めることが大切です。
- 具体例:
- 温かいお風呂にゆっくり浸かる(シャワーだけで済ませない)。
- 冷え防止のため、靴下を履いたり、腹巻を着用する。
- 肩や背中にホットパックや湯たんぽを当てる。
- 冬場は温かい飲み物(生姜湯、白湯)を取り入れる。
産後の睡眠不足と慣れない育児の中で、これらを完璧にやることは難しいかもしれません。
できることを心がけてみましょう。
母乳が出なくても大丈夫!
母乳が出ないのはママのせいではない
母乳が出ないことは決して「ママのせい」ではありません。
母乳の分泌には、個人差や様々な要因があり、責められるものではないのです。
分娩が難産だったり、出産後に大きなストレスや体調不良がある場合、ホルモンの働きが乱れて母乳が出にくくなることがあります。
生まれつき母乳分泌が難しい体質の人もいます。
しかし、母乳ではなくても、粉ミルクや混合授乳などの手段があります。
赤ちゃんに必要な栄養を与えることが一番大切です!
母としての愛情は赤ちゃんにちゃんと伝わっているのです。
ミルク育児のメリットと安全性
ミルク育児のメリット
- 栄養バランスがしっかり管理されている
- 家族みんなで育児に参加できる(ママ以外の人が授乳できる)
- 人前でも飲ませることができる
- 赤ちゃんが飲んだ量が分かる
- 腹持ちがいい。よく眠ってくれる。
- ママが体調を整える時間をつくれる
- カフェイン入り飲み物、アルコール、薬など気兼ねなく摂りやすい(完全ミルクの場合)
- 赤ちゃんを預けやすい
ミルク育児は安全
- 現代の粉ミルクは赤ちゃんの発育に必要な栄養素がしっかり含まれている。
母乳 | ミルク |
・赤ちゃんに最適な栄養バランス ・月齢やニーズに応じて成分変化 ・消化が良く赤ちゃんの腸に優しい ・抗体や免疫因子がある ・いつでも適温で準備不要 ・母乳パッドや搾乳器など育児用品を必要とする場合がある | ・必要な栄養素が含まれている ・一定の栄養バランスが保たれている ・母乳に比べて消化に時間がかかる ・抗体や免疫効果はない ・調乳のための時間や手間がかかる ・温度管理や衛生管理が必要 ・外出時には調乳用のお湯や哺乳瓶の準備が必要 ・ミルク代かかる ・哺乳瓶や消毒用品が必要 |